株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2017.05.18

打率の違いはごくわずか~チームのこと

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

私、じつはプロ野球ファンです。
プロ野球ファンのあいだで、いま衝撃的ニュースとなっているのが、千葉ロッテマリーンズのチーム打率。

なんと1割台!

野球に詳しくない方は、これがどんなに衝撃か分からないかと思いますが、チーム全体の打率が1割台でシーズンエンドを迎えたとすると、73年ぶりの不名誉ということになるそうなのです。

で、当然というべきか、ロッテは最下位に沈んでいます。

しかし、この打率というやつは、安打を打席数で割ったものなのですが、結構微妙なものです。
1割台は論外だとしても、チーム打率で2割8分にもなれば超の付く上出来、2割4分くらいで並み、です。冷静に考えるとあまり差はなく、事実、チーム打率が低いチームの方がたくさん点を取る試合も頻繁に見ます。ロッテでさえも、6、7点はたまに取ります。

個人の打率で言っても、3割で一流クラス、2割5分で普通。この差わずか5%。

5%というのは、20打席で6安打打つか、5安打打つかという差です。1つの試合でもらえる打席の数は、20打席はおろか、5打席あれば多い方です。つまり、一流の選手と並みの選手の差とは、4試合で安打1本程度の差なわけですね。

大したことないなあ、と思うわけですが、ところが130試合以上にもなる長いシーズンになると、この差が歴然と出てくる。他の条件が同じであれば、打率が低いチームが優勝することはありえないのです。

商売も同じです。

お客様の相手をしたり、お店の掃除をしたり、同僚と議論をする、その行動ひとつがどのようなパフォーマンスであっても、他社との差は大してつきません。
しかし、365日、ちょっとした差が日々積み重なると、取り返すのが本当に大変な「ゲーム差」になってしまうのです。

野球選手はゲーム差や自分の成績がつねに分かるので、なかば自動的に努力することになります。しかし、我々には他社との差はすぐには分かりません。それでも、ほんのわずかな工夫の差や、ちょっとした気の緩みは、少しずつ、しかし確実に積み重なっていきます。
すなわち、今、この瞬間が勝負なのです。

その単純だけど忘れがちな事実を強く認識することから、商売は始まるのではないでしょうか。

さあ、プレイボール!

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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