株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2017.04.03

それが教育。

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

春になりました。

先日、うちのアルバイトスタッフの送別会に、農家さんが来てくれました。

で、その会で農家Aさんから聞いた話をご紹介したいと思います。

学童保育で、畑を子どもたちみんなでやっているのだそうで、Aさんが畑を貸して栽培を指導している。

「みんな真面目に畑の作業やります?」と聞いてみました。

「まあ、ふざけちゃう子もいるよね」とAさんは言う。「大根の芽の間引きをするときに、マルチの穴から3本出ていて、1本残さなければいけないのに、ふざけて3本全部抜いてしまう子もいる。」

Aさんは、たぶんそこで怖い大人を演じるのだろう。

「その君の行為で、種が無駄になったし、畑のこの面積が無駄になった。収穫できても、君の分のダイコンはないから」と言うのだという。

当り前に美味しい食べ物が手に入る世の中ですが、それも誰かの努力があってこそ。その子は、次の年からは一生懸命に畑仕事をしたのだそうです。

地域に、こういう農家さんがいることって、本当に貴重です。

ところで、とある自治体Bでは、学校給食には地元のブロッコリーが使えないのです。その理由は、虫がいても分からないから。

たしかに、ブロッコリーはあの形状なので、目視で虫を完全に取り除くことができません。

もし、可愛い子どもが虫を食べてしまったとしたら、親御さんからのクレームはすごいことになるんだろうと推察します。でも、虫がいるのも、農業であり食べ物なのでは?とも思ってしまいますよね。

どの自治体でも、学校給食の地産地消の比率を上げていこうとしています。数値目標は大切ですが、子どもたちの教育のために地元の農業に何ができるのか?という観点なく、数値だけ達成しても仕方ないわけです。でないと、税金で地元の農産物を買い支えているだけ、ということになってしまいます。

農業と教育の関係は、もっと議論を深める必要のある分野だと感じています。

~今年もイチゴの収穫体験会やります!詳しい情報は、後日、にしこくマルシェのFacebookにて~

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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