株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2021.09.17

ふくらんじゃってもいいんじゃない?

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

先月から、「背景を知ろう!」というネーミングの社内イベントを毎月はじめました。
前から畑や工場への見学はちょくちょく行っていたのですが、よりアルバイトも参加しやすい形で、毎月1回コンスタントにやっていく予定です。

第1回は、発酵食品について学びました(講師:ケイミ―オフィス青木隆さん)。

そのなかで、当社の直売所で売っている発酵食品もあらためて並べてみたのですが(いっぱいある)、そのなかにキムチがありました。で、透明なスタンドパックに入っているのですが、これがパンパンに膨らんでいる。

講師の青木さんいわく、「菌が生きている証拠です。」

ではなぜスーパーの密閉された食品が膨らまないかといえば、そういう処理がされているからです。
それが悪いということではないですが、でもそういう処理を、町場の小さな作り手さんができるかといえばそれは難しいですね。
設備的なこともあるし、作り手が納得できるレシピというのもあるでしょうし。

スーパーの店頭の商品は、味が安定しています。見た目も変化したりはしないです。
長距離輸送にも耐えるという条件も必要です。
もし売り場にあるうちに変化するような商品があれば、即、不良品になってしまいます。

でも、「しゅんかしゅんか」ではそれを説明しながら売ることができます。お客様に恵まれていることもあると思いますが、キムチの袋がパンパンでもクレームにはなりません。
青木さんいわく、それもまた地産地消の意味、あるいはお店が小さいことの意味だと。

手作りの発酵食品のような品質が変わりやすいものを説明しながら売るのも私たちの役割なのだと、あらためて認識した次第です。

コスト面から表現すれば、地産地消で省かれた中間マージンを、説明のための人件費に費やすことができる、という風に言うこともできますね。

地産地消は中間流通のマージンが少なくて済みますが、それは農業所得や作り手さんの売上に反映される一方で、私たち中間流通業者が運送以外の部分、すなわち「背景流通」にコストを使うことができるわけです。

ところで、キムチは韓国のものですが、発酵食品は日本文化にも欠かせません。
しょう油、味噌、酒、みりん、酢、納豆。さらに、かつお節やくさや、野沢菜漬け、鮒寿司も発酵食品ですね。
その化学変化によって生まれる味わいの複雑さを、古くから日本人は楽しんできました。

食欲の秋です。発酵が生む奥行きのある味わいを、月でも眺めながら、じっくりと感じ取ってみるのもよいのではないでしょうか?

追記。
発酵の典型例、そしておそらく最古の例は、酵母による発酵、つまりお酒です。ビールも日本酒もウィスキーも、その味わい深さは発酵由来。
いまお酒業界には厳しい規制になっていますが、それも間もなく終わりでしょう。
早くみんなで乾杯したいものですね。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。国立市商工会理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度)。

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