株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2020.08.06

マンモス時代とお題を間違えている時代

経済を取るのか、感染防止を取るのか?
いま、そういうお題が提示されています。

しかし、このお題を考えている人々の前提に、大切な概念が抜け落ちているように思えます。
人間の幸福にそもそも経済は必要不可欠だ、ということです。そして、感染防止に使われる諸費用すら、経済から捻出されているのです。にもかかわらず、財源論(税収は経済からもたらされる)もせずに、感染防止の施策の話ばかりをしている。
日本、大丈夫ですか?……大丈夫じゃないでしょうね。

経済は、ともすると悪いものだと思われています。
たしかに、経済は放っておくと環境を破壊するし、弱者から搾取したりもします。
しかし、経済で人間が生きていることは動かすことのできない事実です。それは、共産主義であっても同じです。

原始的な社会、たとえば石器時代の社会においては、マンモスを狩ってくることがその社会の経済です。
社会の構成員の誰かがリスクを負って行うから、そのコミュニティの経済が成立している。
この事実は、日本のような複雑化した先進国では忘れられてしまい、たとえば国民皆保険によってよい医療をみんなが受けられるのは当たり前だと私たちは思っています。が、考えてみれば当然ですが、そんなものは経済が止まれば何も存在しなくなるわけです。
税収の減少を含む経済の減退は、間違いなく将来の医療、介護、防災、福祉、基礎研究その他に悪影響を与えます。
農業についても、私はこの産業には若干の公的なサポートは必要だと考えていますが(過保護はよくないですが)、そのサポートも農業以外の産業で経済が回っているからこそ可能になるわけです。
現代でも「マンモス狩り」は必要だし、つねに行われているのです。
(ちなみに、そのことと、当社の直売所が補助金に頼っていないことは無関係ではありません。)

唐突ですが、古墳のような大きなものを造営したのは何のためでしょうか?
もちろん、古代の人々が信じる神との何かしらの約束のためだったのかもしれませんが、理由のある部分は公共事業です。もっといえば失業者対策ですね。
石を運べば、食べ物がえらえる。その状況は社会安定に必要なものだったでしょう。
古代では古墳を造り、現代ではダムを造る、ということです。

経済を日本の学校ではあまり教えません。学校の先生が経済を嫌いだからだと邪推しています。
べつに嫌いでも構わないんですが、人間、経済によって生かされているので、それを子どもたちにしっかり教えることは大事です。
憲法や地理について学ぶのと同じくらい、経済も教えてほしいものです。

経済イコール幸福だというのは明らかに間違いですが、かといって、経済がなくても幸福でいられるというのは幻想です。
経済は、マンモス時代以来の、幸福の前提条件です。
したがって、新型コロナで経済が減衰する影響は自殺者数の増加として語られますが、そんなものは数多ある悪影響のごく一部にすぎません。

経済の語源は「経世済民」、すなわち世をおさめて民を救うこと。日本社会はそのことを忘れてしまったんだなあ、とコロナ騒動を見ていて思います。その意味で、コロナ騒動は見事なほどに人災です。
(具体的な批判については書ききれないので、ここでは書きませんけども。大手メディアが煽るほどには死亡者数が増えていないことだけ指摘しておきましょう。)

経済への理解が抜け落ちたまま、感染防止だけやっていたら日本はヤバいです。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。国立市商工会理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度)。

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