株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2019.06.29

あまりに多様、されど同志

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

エマリコを創業して8年が経過しました。

創業したときは、「都市農業」にさほど注目が集まっていなかったですが、今や新聞や雑誌でこの言葉をよく目にするようになりました。当社のWEBサイトでは、よりフレンドリーな語感で「まちなか農業」と呼んでいます。

で、各地で都市農業を盛り上げるさまざまな取り組みがあります。東京都内だけでも数えきれないくらいです。

エマリコと少し関係するところだと、国分寺野菜を販売・PRする『こくベジ』は、100軒以上の飲食店が加盟しているそうです。
http://www.kokuvege.jp/

街によって形態はほんとうに色々ですし、都市農業の活性化をメインに掲げている取り組みもあれば(『こくベジ』はそのひとつ)、主目的は別にあって副次的に都市農業を盛り上げているものもあります。

俺の街のがないやん!っていうツッコミを恐れずに街ごとの取り組みをオムニバス的に紹介していくと…

【日野市】 なんといっても「都市農業基本条例」を制定した最初の街。給食での地場野菜活用がさかん。当社も販売している由木農場の「さくらたまご」も給食で頻繁に登場。最近の子供は贅沢しているなあ笑!
【小平市】 給食といえば、JAが集荷して給食に納入する小平。たぶん地場野菜の活用率は都内で1位なのでは?
【三鷹市】 なんといってもJAの若手農家(青壮年部)の活動が盛ん。とくに毎年恒例「食育カレンダー」に感動。http://ja-tm-may.tokyo/?page_id=157
【小金井市】 私が知る限り、飲食店を巻き込んだプロジェクトの東京都内における先駆けは小金井。江戸東京野菜にフューチャーし、地元で採れた江戸東京野菜を使用している飲食店がたくさんある。
【練馬区】 ダイコンやキャベツも有名だが、体験農園の取り組みのさきがけでその方法は「練馬式」と呼ばれる。今年、「世界都市農業サミット」をやるらしい。https://www.city.nerima.tokyo.jp/kankomoyoshi/nogyo/summit.html
【国立市】 NPO「くにたち農園の会」の活動が業界では有名。さいきん民泊も開始。
【八王子市】 この街はいろいろあるけど、個人的な注目は八王子産米を醸した日本酒『高尾の天狗』のプロジェクト。酒蔵を新設するプロジェクトが進行中。
【多摩市】 農業発信ポータルサイト『agri agri』を展開。ちなみに多摩市にも日本酒『原峰のいずみ』がある。
http://www.seeds-tama.com/agriagri/

はい、紙幅の都合で、以上紹介終了です。俺の活動が載ってないじゃん、という当然のクレーム、ぜひお寄せください(笑)。
しかし、この多様性、ほんと面白いと思いませんか。街ごとに工夫して頑張っています。
まあ、同じ課題へのアプローチがバラバラすぎる、という言い方もできるかもしれませんが……。

さらには行政区域をまたがった民間企業の活動もあります。当社もそのひとつですし、マイファームやアグリメディアの体験農園事業などもありますね。
エマリコでのインターン経験もある森田慧さんが始めたWEBメディア「agri.TOKYO」も紹介しておきましょう。

で、これらを紹介するのが本ブログの目的ではなく、いろいろな活動が緩くつながって情報交換していくこと、これもとっても重要なことではないでしょうか。ものすごくたくさんの取り組みがありますけど、都市農業を中心に据えているからには、共通の課題があったりすると思います。

まちおこしにおいては、他の街のアイディアをパクってなんぼだと私は思ってます。どんどんパクりあおう。
自分の街だけ農地が残っても寂しいじゃないですか。

緩くつながりながら、東京全体で盛り上げていく。そういう方向に持っていきたいなとつねづね思っています。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

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