株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2020.01.25

地域を活かす方法と地域が活かされる方法

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拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

昨年の末、こんな記事を読みました。

『大崎駅が「コミケ避難所」で新たな聖地に「100万人がスルーする駅」からの脱却』 https://www.oricon.co.jp/special/54143/

記事によれば、東京ビックサイトのコミックマーケットは物凄い人数を動員するイベントなわけですが、りんかい線との乗換駅である大崎駅は、多くのコミケ戦士が通る駅であることを利用して、”コミケ避難所”として街の売り出しを図ったということ。
最初はまったく認知されていなかったが、SNSなどを通じて、徐々に来街者が増えているということなのです。

なるほど、と思ったのは、大崎という街が見出した地域の資源は、ビックサイトに行く人はそこで乗り換えている、ということだけ。地域資源というのもおこがましいくらいな話です。
でも、一見どうでもいいような状況をしっかりと活かしているのが、まちおこしとして目の付け所が素晴らしいなと思います。すでに生じている状況はお金をかける必要がないですし。

地域資源を活かすことがまちおこしだと、ふつう私たちは考えています。
資源というのはモノやヒトのことを指すので、1次産業の特産品であったり、芸術家が多く住んでいるとか、温泉旅館があるとか、そういうものを探してしまいます。
そうして、「状況」も重要な着眼点であることを忘れてしまいがちです。

とかく、まちおこしというのは、「地域の●●を活用する」という発想になってしまいます。
私たちの会社でいえば、「まちなか農業を活かす」ということですね。
しかしこれは、マーケティング的には、プロダクトアウトの発想です。あるものを活かす。

一方で、社会の変化に対応し、社会に受け入れられるものを作るには、状況の把握が大事です。
つまり、マーケットインです。

状況を観察し、それに対して街ができることを考える。そういうまちおこしもあります。

プロダクトアウトが全部だめ、ということではありません。ただ、おうおうにして、地元愛が強すぎる私たち”まちづくらー”や社会起業家は、マーケットインの発想を忘れてしまいがちです。まちおこしの陥穽としては頻出です。
そして、極端になると、「この良さが伝わらないのは、市民が悪いんだ!」となってしまったり。

そうじゃないですよね。受け入れられるようにするのが、私たちの腕の見せどころです。
このあたりの話は、小説形式で読みやすい『凡人のための地域再生入門』(木下斉さん著、ダイヤモンド社)もオススメです。
(補助金行政をバッサリ切っている点も痛快です。)

ところで、私がぜひとも活かしたい地域資源に、国立せきやビル地下フロアがあります。
国立駅徒歩3分の国立せきやビル。その地下フロアは、多摩有数のワインコレクションが並ぶ酒屋さんです。ワインの試飲カウンター(有料)もあります。ワイン以外の日本酒やハードリカーの品ぞろえも素晴らしいです。
そして、私たちが経営する「ワインバル くにたち村酒場」と「CRAFT! KUNITA-CHIKA」がそのフロアには並んでいます。
多摩随一の”お酒のワンダーランド”、と私は自負しているのですが、地元の人たちにも広く認知されているとはいえません。もったいないので、しっかり発信していきたいと強く思っています。

まあ、しかし、こういうことでは、プロダクトアウト的発想になってしまいます。
……ということで、コミケ避難所のような、うまいアイディアを募集しています!

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。国立市商工会理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度)。

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