株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2018.08.24

マルシェはジャパネットではない

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

先日、『地産地消と未来の流通』というテーマで多くの方とディスカッションをする機会がありました。
※ 赤坂見附の東京農業発信施設「東京農村」で開催した交流会です。なお、こうした食農に関わる交流会やセミナーをこれからも随時開催していきますので、ご注目ください。=食と地域活性化のシェアオフィス&シェアキッチン「Root Root」= http://rootroot.jp/

地産地消については、たとえば学校給食で使う地元野菜の納入価格の決め方が自治体にによって大きく異なるなど、興味深い話を数多く聞くことができました。

そのあとのコーナーでは流通の未来に焦点をあてて、一例としてAmazonの仕組みを聞いたのですが、青果マーケットにおいてもAmazonはじきに脅威になってくるように思われました。
私たち地産地消の業界はちょっとぬるま湯にいるな、あらためてそんな気にさせられました。

ところで、Amazonはものすごい強敵ですが、弱点もあって、商品をひとつひとつ丁寧に説明するのが苦手です。
これは色々選べるけど丁寧な説明は少ないという点で、スーパーマーケットも基本的に同タイプの商売です。

私たち地産地消のプレーヤーは、これらに対抗するために丁寧な説明をしようとします。生産者のことをよく知っているので、確かに強みにはなるでしょう。
しかし、これは安直な戦略なのかもしれません。

一方でAmazonと同じく非店舗業態でも、「通販生活」や「ジャパネット」などは相当に丁寧な商品説明がついていきます。ご存知のとおりジャパネットは商品についてほんとうに熱く語ります。
で、ここで大事なことは、ひとつの商品をたくさん売るので規模の経済が働きます。コストが落ちる。
これはじつに論理的な戦略です。

私たち地産地消ビジネスはどうでしょうか。
生産現場が近いから語れる。それはそうなのですが、これだけでは論理的な戦略とは言えません。
(商学部マニアックに言えば「ストーリーとしての競争戦略」になっていません。)

コストを落とす戦略とより多く販売する戦略、これが対になり好循環を生むのが論理的な戦略です。

いま世の中はなぜか野菜や農業に関心が集まっています。
世の中の状況は私たちに、野菜や農業について熱く語れと要求してきます。そして、語れば語るほど、多くの方面からお褒めの言葉をいただくことができます。

たとえばマルシェへの出店依頼はこの典型です。

生産者と消費者を結ぶ場をつくりたいという、その理念は心から賛同します。どんどんやるべきだと思います。
私たちもよろこんで出店させていただくこともあります。

でも、エマリコくにたちは、その先を行きたい。

なぜならマルシェは、ジャパネットではない。
ビジネスとして論理的な戦略に基づいていません。

じゃあ、お前のところはどんな戦略に基づいているっていうのか?

スミマセン、正直なところ、まだ見いだせていません。
ただ、取引農家が100軒となり、都心部への物流も構築したいま、おぼろげながら見えてきているようにも思っています。

ひとつだけはっきり宣言したいと思うのですが、エマリコくにたちの事業領域は、「背景流通業」です。
「背景流通」をやりたいのではなく、「背景流通」を「業」とすることがやりたいのです。

前にもブログに書いたとおり、2018年度まではエマリコの模索期と位置付けています。
好循環を生む戦略を立てるための模索。
そのためにやりたいことが山ほどあって、寝るヒマがありません!

(論理的な戦略がまだない、こんなことを明言するブログを書いて大丈夫かな?)

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。第3次国立市農業振興計画審議会委員(2016年)。

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