株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2018.10.04

食育を超えた、なにか

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

今日は、「21世紀の多摩学」というタイトルの講座が国分寺でありまして少し登壇させていただきました。

この「多摩学」というのは、国分寺駅にほど近い東京経済大学の先生方が主導されてきたものだそうです。

私は多摩を忘れられた「第48番目の都道府県」と呼んでいるんですけども(ほとんど足を踏み入れなかった都知事すらいる)、実は人口は静岡県に匹敵します。
そして、「国分寺」や「府中」という地名からも分かるとおり、歴史もとても古いこの地域には、研究するに足るいろんなモノゴトが眠っているのだろうと思います。

今回は「多摩地域の都市農業~「強い農業」の可能性」というテーマでした。
【登壇者】磯沼正徳さん、小谷俊哉さん(一般財団法人 都市農地活用支援センター)、私

ご承知のとおり、都市農業をめぐる法制度はかなり変わってきていまして、2020年から2022年にかけては生産緑地が減少してしまうピンチでもありつつ、同時に今こそ農業を強くするチャンスでもあります。

今回の講座で僥倖だったのは、高名な磯沼ミルクファームの磯沼正徳さんと同席できたことです。

今さら説明するまでもないですが、超美味しいヨーグルトや生乳を生産する八王子の牧場です。
飼育頭数はジャージー牛を中心に90頭~100頭ほどもあります。
しかも、京王高尾線山田駅からほど近い、駅から歩ける牧場なのです。

なお、東京都内全体ではなんと47軒もの乳牛農家が残っています。

磯沼ミルクファームの素晴らしさはあらためて私が紹介するのもおこがましいので割愛しますが、アニマルウェルフェアに気を遣い、また市民の体験や交流の場として牧場を提供することで、たくさんのファンを掴んでいます。

なかでも私が感動したのは、牧場のパンフレットのこのくだりです。

~年12回のカウボウイ・カウガールスクール~
子牛の名前を考えることから始まる、牛と人のいい関係を作り上げていくプログラムです。
1年後には、あなたの世話した牛が大きくなって、2才でかあさん牛になります。
乳牛の一生の「はじまりのプロセス」を共有することで、家畜、牧畜を楽しく理解して
いただけると思います。

これはもう、食育という概念を超えていますよね。食育を超越した、なにか。

こんなこと言っていいのかわかりませんが、私は野菜の流通企業として、都市農地の体験農園としての活用には積極的な関心はありません。別にダメだということではなく、当社でも農場見学イベントを企画したりもしますし、(株)農天気とも業務提携をしています※が、しかし、どちらかといえば、同じ生産緑地ならプロ農家にどんどん野菜を作ってほしいと思っている人間です。

でも、この「カウボウイ・カウガールスクール」、見に行ったことはないですが、何が行われるか想像するだけで、そこで”生産”されているものが崇高すぎて、ちょっと言葉が出ないです。

※ 農天気との業務提携はコチラ

都市農業かくあるべき。まさしくそうだな、と思います。

学問の上では「都市農業の多面的機能」とよく表現しますが、そんな小綺麗にまるめた言葉に押し込めることはできないです。

磯沼ミルクファームのコピーを最後に書いておきます。

「すべてのミルクは母乳――ミルクは愛でできている」

ご参考 http://isonuma-farm.com/
(通信販売もあります。ぜひ! 乳搾り体験やピザ作り体験なども随時開催。)

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

Photo

株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。第3次国立市農業振興計画審議会委員(2016年)。

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