株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2017.11.07

玉川上水の驚異!

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

今回は、『ブラタモリ』に出てきそうなお話です。

先日、東京農工大学の福嶋司先生の講演を聞く機会がありました。
『東京の森を歩く』(講談社現代新書)などの著書がある植生研究の大家でいらっしゃいます。

多摩地域、すなわち武蔵野台地の歴史についての解説のなかで、とくに玉川上水の話が印象に残りました。

そもそも玉川上水は、1600年代の中ごろに人口が急増した江戸の水の需要をまかなうために掘られました。

その後、周辺地域の農業用水としても活用されることなります。私たちのお付き合いする農家にも、上水の開通をきっかけとした新田開発で入植した家がたくさんあります。
武蔵野台地は火山灰が主成分なので、人工的に持ってこないかぎり水がなかったわけですね。

この玉川上水の工事を取り仕切ったのが農家の兄弟で、のちに「玉川」姓をたまわり、玉川兄弟と呼ばれて羽村に銅像が建っています。
玉川上水は羽村の取水口から四谷の近くまで計画されていたのですが、高井戸村まで来て資金が尽きたという。
そこで、玉川兄弟は自身の家屋敷を処分してお金を捻出し、最後まで事業を全うしたのだそうです。

で、一番驚いた話は、この玉川上水は1653年の4月に掘削をはじめ、同年11月に完了するというスピードで開通したということ。
重機もなければ電話もない時代に、じつに驚異です。

私たちはベンチャー企業として、それなりのスピード感を持って事業を展開しているつもりではあったのですが、玉川上水の開通のスピードと、玉川上水がその後に与えた社会的なインパクトを聞くにつけ、もっと早くできるはずだ、と思い直した次第です。

実際のところ、東京農業の活性化は緊急性の高い課題。
もっともっとスピードアップをしていこうと思います。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

Photo

株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。一般社団法人MURA理事。東京都オリジナル品種普及対策検討会委員(2019年度〜2021年度)。

PageTop