株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2019.08.12

東京農業の元祖6次産業にして輸出産品

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拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

夏まっさかり。長雨のつぎは、雨が少ない……。農業はほんとに難儀な商売です。

さて、先日、といっても6月のことですが、東京は瑞穂町のお茶畑に行ってきました。
当社がお取引しているの西村園さんです。
冒頭の写真も西村園さんの畑。とっても眺めがいい!

東京でお茶?という声も聞かれそうですが、「東京狭山茶」のブランドネームでたくさんのお茶農家さんが残る土地。
東京都と埼玉県の県境が走っていますが、気候的には狭山茶の中心地である入間とほとんど同じなのです。
狭山茶は、お茶の世界では、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」という茶摘み唄が残る三大銘茶のひとつです。
狭山は伝統的に高温の火入れをし、また、冬場が他の産地に比べて寒いので葉が肉厚になることから味が濃くなるのが特徴なのだそうです。

と、「高温の火入れで」と書きましたが、それぞれの農家が製茶場を持っているのがお茶という産業の特徴です。農業でもありつつ、家庭内工業でもある。すなわち、昔から6次産業化しているといえるのです。

写真は西村園さんの製茶場の様子。

お茶はものすごく丁寧な工程を経て作られます。

若葉を蒸し、冷却してから、葉打、揉捻(じゅうねん)と工程が続きます。揉捻は茶葉をもみほぐして水分を均一にする工程で、写真の右手に見える臼のような形の機械が揉捻をする機会です。
そして、精揉=葉の形を整えて、「荒茶」の完成です。
ここまで4時間ほどかかるのだそう。畑での収穫からほんとに丸1日の作業ですね。(この時期はお茶農家さんは超多忙で連絡が取れないほどです。)

「荒茶」を火入れし、適切にブレンドして、最終製品としての緑茶になります。

西村園さんは紅茶やパウダー化にも取り組んでいます。「東京紅茶」は海外のものによくある尖った刺激がなく、柔らかな味わいになっています。日本人好みの味だと思います。
以下で購入もできますのでぜひ。(西村園WEBサイト)
http://knishimura.com/
(ちなみに、西村園さんの商品デザインは、東京NEO-FARMERS!でもおなじみのコトリコ江藤梢さんです。)

ところで、武蔵国でお茶を作っている歴史ですが、相当古いようです。
南北朝時代の書物に「武蔵川越」がお茶の名産地として登場するとか。といっても、この後いちど廃れたようなので、それが現代まで連なっているのかは判然としません。
その後、江戸時代になって大消費地・江戸にお茶を供給する一大産地となり、開国を機に重要な輸出品目となります。当時はお茶は生糸につぐ主要な外貨獲得商品だったのです。

無理矢理つなげますが、将来的にはTOKYOの農産物を輸出しよう、というのが私の夢のひとつです。東京狭山茶がたくさん輸出されていたことには勇気づけられます。
輸出の構想については、違う機会にブログに書くことがあるかなと思います。

いずれにしても、丁寧な手作業で作られる東京のお茶は、東京農業のなかでもとくに次世代に繋いでいきたいもののひとつだと思っています。

さて、さいごに宣伝ですが、西村園さんの冷茶用の茶葉を「しゅんかしゅんか」で、東京紅茶は「東京野菜キッチン SCOP」で取り扱い中です。お試しくださいませ。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。第3次国立市農業振興計画審議会委員(2016年)。

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