株式会社エマリコくにたち

拝啓、うまい!に背景あり

社長のBLOG

2018.07.24

街はリスクテイカーになれるか

拝啓 東京農業を応援いただいている皆様

このあいだの週末は、酷暑!でしたけれども、国立駅前で盆踊りが開催され、大変盛況でした。
これは駅前の一番街商店街が主催したもの。
わが「くにたち村酒場」も一番街に所属していますので、模擬店を出しました。
もちろんお祭りでも地元の食材を生かすのがエマリコ流。『くにたち産トウモロコシのポップコーン』(150円也!)を販売しまして、予想を上回る売れ行きでした。

(ちなみに、国立産とうがらし「辛すぎて谷保」を使った激辛バージョンは全然売れませんでした…笑)

さて、今回の盆踊りは盛況だったのですが、地域には色々なイベント、催しものがあります。

そうして多くのイベントが行われるなかでは、どうしても盛り上がらないものも出てきます。それをどう考えるべきなのか?

イベントが多かれ少なかれ「試み」である以上、あくまで失敗する確率はつねにあります。
ベンチャー企業は多産多死と言われます。ベンチャー企業は多産多死で、100のうち2つか3つが大きく成長し、結果として日本経済に貢献しています。
では、地域のイベントはどうか。

たくさんあるイベントのうち数個が成功し、地域経済に貢献してくれればいい、というのは正論なんですが、そうもいかない。
地域のイベントは、みんな手弁当で出てきています。
たとえば、お祭りの模擬店にしても、飲食店の店主が来ていればその時間、自分の本来のお店はおろそかになっているわけです。これはあくまで一例ですけども、そういう状況下で、「いやあ、失敗しちゃいました~」「そうですね~。また来年違う企画で頑張りましょう」とはなかなか感情が追いつかない。

ベンチャー企業の場合は、経営陣が「腹を切れば」以上終了なのですが、地域コミュニティはずっとそのあとも続いていく。

地域のイベントで大事なのは、実は、終わった後ではないかと私は思います。
ちゃんと反省会をやる。反省会の結果、その企画のイベントはもうやらない方がよい、ってなるかもしれない。それでも、きちんと反省をし、主催者が謝意を伝えることで、その地域は次のイベントをやりやすくなります。せめて手紙を出すとか。

ま、主催者側だってたいてい手弁当ですから、「失敗だった?じゃあ、お前がやってみろよ」っていう主張はものすごく正しいんですが、そこは押さえて。街の未来のために、失敗しても成功しても頭を下げたいところです。

(失敗か成功かを測りにくいという課題や、あるいは失敗しにくいイベントしかやらないという課題も、地域のイベントにはあります。それは別の回に。)

ともすると、せっかくイベントを多く打ったのに大した効果もあげないままに「イベント疲れ」している街は多いのではないかと思います。そうすると地域に協力してくれる人がだんだん少なくなるので、さらにイベントが失敗しやすくなるという悪循環に街がはまります。

かといって、イベントは新奇性が高ければ高いほど失敗のリスクもあがりますが、失敗を恐れていてはまちおこしはできません。それはベンチャー企業と同じであって、街もリスクテイカーである必要はある。

この話は、街という、組織ではないけどある程度まとまりのある存在が、どのようにしたらリスクテイカーになれるかという、とても難しい命題に行き当たります。大企業がリスクテイカーになれないのととても似ています。

その議論はおって深めるとして、イベントについては、失敗を恐れず挑む、ただし「イベント疲れ」を残さないように気配りをするのが大事です。主催者はきちんと反省をして、周囲はできるだけ大らかに考える。

(私が学生時代にお世話になった国立市富士見台1丁目地域は、私を含む大学生がしょうもないイベントをたくさん企画してきたんですが、地域の人々はおおらかで、今も大学生と商店街の密接な関係が続いています。深謝。。。)

イベントの目的はつねに2つあると考えるべきでしょう。ひとつは地域を盛り上げること、もうひとつは次のイベントをやりやすくすることです。

さて、個人的には、仕掛けたい地域イベントもいくつかあるのですが、まあ、手元の忙しさを考えると、数年先になるかもしれません。

菱沼 勇介(ひしぬま ゆうすけ)
プロフィール

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株式会社エマリコくにたち代表取締役。
1982年12月27日生まれ。
農地のない街・神奈川県逗子市に育つ。
一橋大在学中に、国立市にて空き店舗を活かした商店街活性化活動に携わる。2005年に一橋大商学部卒業後、三井不動産、アビーム・コンサルティングを経て、国立に戻る。NPO法人地域自給くにたちの事務局長に就任し、「まちなか農業」と出会う。2011年、株式会社エマリコくにたちを創業。第3次国立市農業振興計画審議会委員(2016年)。

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